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ロケットZEROの推進剤タンク試験用の構造試験棟が完成しました
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宇宙輸送と宇宙利用を通じて地球の課題解決を目指す宇宙の総合インフラ会社インターステラテクノロジズ株式会社(本社:北海道広尾郡⼤樹町、代表取締役社⻑:稲川貴⼤、以下インターステラテクノロジズ)はこのたび、超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」(以下ZERO)の推進剤タンク試験用の構造試験棟が完成しましたので、お知らせいたします。ZEROは各コンポーネントの開発が着実に進んでおり、圧倒的に低価格で便利な宇宙への輸送手段を構築するため、インターステラテクノロジズはこれからも事業に邁進してまいります。
ロケット用推進剤タンクの主要試験に使用
構造試験棟は本社社屋南側に建設し、タンクの圧力への耐久性を確かめる「耐圧試験」設備(高さ16.4m、幅12m、奥行き8m、延床面積72㎡、写真左側)と、気密性を確認する「気密試験」設備(高さ5.3m、幅5.2m、奥行き13m、延床面積65㎡、写真右側)の2棟で構成しています。インターステラテクノロジズが初号機打上げを目指して開発を本格化させているZEROは、1段目タンク(高さ約7m、直径1.7m)と2段目タンク(高さ約1.7m、直径1.7m)それぞれの設計・製造が進んでおり、同棟はこれらタンクの開発試験やロケット量産時の試験に使用していきます。設計と施工は、インターステラテクノロジズのパートナーシッププログラム「みんなのロケットパートナーズ」に参画いただいている萩原建設工業株式会社(本社:北海道帯広市)に担当いただきました。同棟では、今冬以降に試験を計画しています。
構造試験棟 概要
所在地 : 〒089-2113 北海道広尾郡大樹町字芽武149-8
建築 : 鉄骨造
工期 : 2022年4月~2022年8月
設計・施工 : 萩原建設工業株式会社
参考:ロケットZEROの主要コンポーネント
「ZERO」は、宇宙到達実績のある観測ロケット「MOMO」に続くロケットとして、インターステラテクノロジズが開発・製造している、超小型人工衛星を宇宙空間(地球周回軌道上)に運ぶための小型ロケット(長さ25m、直径1.7m、総重量33t)です。1機あたり6億円以下と海外のロケット会社と引けを取らない国際競争力のあるロケットとして、2023年度の初号機打上げを目指しています。ZEROのような小型ロケットは、需要が大きく拡大している小型衛星をターゲットにしており、行きたい軌道までオンデマンドで運んだり、打上げ時期やミッションに柔軟に対応できる点が特徴です。ZEROは、一般的には複雑で高額となるエンジンシステムを独自設計するなどコア技術を自社で開発しているほか、設計から製造、試験・評価、打上げ運用までを自社で一気通貫させた国内唯一の開発体制、アビオニクス(電子装置)への民生品活用などにより、低価格化を図っています。
▼プレスリリース 20221003_構造試験棟が完成