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シリーズDラウンドで17.7億円を調達、藤田誠氏(INCLUSIVE株式会社)、株式会社サイバーエージェントなどに出資いただきました
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「低価格で便利な、選ばれるロケット」をミッションに、観測ロケット「MOMO」と超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」を独自開発・製造しているロケット開発ベンチャー、インターステラテクノロジズ株式会社(本社:北海道広尾郡大樹町 代表取締役社長:稲川貴大、以下インターステラテクノロジズ)は、藤田誠氏(INCLUSIVE株式会社代表取締役社長)、株式会社サイバーエージェントなどを新たな引受先とした第三者割当増資により、シリーズDラウンドで総額17.7億円(*1)の資金を調達しましたので、お知らせいたします。
*1 現物出資分につきましては12月16日時点の時価によります
【引受先】※一部、順不同
藤田誠氏(INCLUSIVE株式会社 代表取締役社長)
INCLUSIVE株式会社
株式会社サイバーエージェント
シリアルインキュベート株式会社
セブンスターズキャピタル1号投資事業有限責任組合
サンコーインダストリー株式会社
中島瑞木氏(株式会社coly 代表取締役社長)
中島杏奈氏(株式会社coly 代表取締役副社長)
山本博士氏(株式会社スマレジ 代表取締役)
インターステラテクノロジズの「ねじのロケット(MOMO7号機)」と「TENGAロケット(MOMO6号機)」は2021年7月に2機連続で宇宙空間に到達、2019年5月の「宇宙品質にシフト MOMO3号機」を含め、3度の宇宙空間到達を達成しました。国内民間単独での宇宙空間到達は唯一となります。MOMOは実証から事業化の段階に入り、並行して2023年度の打上げを目指すZEROの開発を本格化させています。
今回調達した資金は、ZEROの開発をさらに加速させるための研究開発、設備投資、人材採用、材料費等に充てます。「誰もが宇宙に手が届く未来をつくる」というビジョンの実現に向け、今後も低価格、高頻度な宇宙輸送の観点から日本の宇宙産業をリードしてまいります。
国主導の「宇宙開発」から民間による「宇宙産業」の時代へ
2021年、民間有人宇宙旅行が注目を集めましたが、世界的に宇宙空間の商業利用は本番を迎えています。2040年には世界の宇宙産業は100兆円超の巨大市場に成長し(*2)、地球低軌道での衛星コンステレーション、月や火星への輸送など、目的地や利用シーンに合わせた新たな宇宙輸送サービスが生まれると予測されています。
既に、衛星通信サービスや地球観測(リモートセンシング)といった分野で小型人工衛星の需要が急激に伸びており、2020年度の世界の小型人工衛星打上げ基数は予測の倍となる約1,000基に上りました。一方、国内の打上げ回数は年数回にとどまり、国内の民間人工衛星事業者は海外の打上げサービスを利用しているのが現状です。輸送手段の少なさは今後、日本の宇宙産業の大きなボトルネックとなると考えられます。
インターステラテクノロジズは、宇宙への唯一の輸送手段であるロケットを低価格で作り、高頻度に打ち上げることで国内の自律的な宇宙輸送能力の構築に貢献し、国内で宇宙に関わる企業のすそ野を広げ、「ものづくり立国・日本」の次の成長産業としての宇宙産業育成に貢献することを目指しています。
*2 参考:Morgan Stanley “Investing in the final Frontier”
低価格で便利な、選ばれるロケット「ZERO」
ZEROは、一般的には複雑で高額となるエンジンシステムを独自設計するなどコア技術を自社で開発しているほか、設計から製造、試験・評価、打上げ運用までを自社で一気通貫させた国内唯一の開発体制、アビオニクス(電子装置)への民生品活用などにより、低価格で競争力のあるロケットを実現します。
東と南が海に開かれた世界有数の好立地、かつ本社から7.5kmの近距離に射場を有することも、世界的に見て大きなアドバンテージです。2021年1月には人工衛星開発の100%子会社「Our Stars」を設立、日本初の”ロケット×人工衛星”の垂直統合による、革新的な衛星サービスの開発を目指しています。
燃料にメタン、カーボンニュートラルへの貢献も
ZEROの燃料には低価格で性能が高く、環境にも優しい液化メタンを選定しました。メタンを燃料としたロケットは世界でも注目され、国外では大型開発が相次いでいます。
メタンは二酸化炭素に次いで影響の大きい温室効果ガスであり、牛から出るメタンの排出量低減が課題となっています。インターステラテクノロジズは、エア・ウォーター株式会社と協力し、牧場から買い取ったメタンガスで製造した液化バイオメタンをロケットに使うことを計画しています。これにより地球温暖化対策に具体的に貢献するとともに、酪農が盛んな北海道に本社を置く企業としてエネルギーの地産地消に寄与します。
ポンプ製造国内最大手の荏原製作所が参画、パートナー企業は30社に
ロケットエンジンの中で最も開発が難しい要素の一つと言われているZEROのターボポンプは、2019年度から共同研究を行っている室蘭工業大学に加え、ポンプ製造国内最大手の株式会社荏原製作所が2021年9月から共同開発に参画しました。
”宇宙産業を、日本の新たな産業に”という大義で立ち上げたインターステラテクノロジズのパートナーシッププログラム「みんなのロケットパートナーズ」は1年前から8社増え、計30社・団体となりました。各企業・団体が持つ技術や製品、ノウハウ等を活かしてロケット開発や宇宙産業に携わりたいという企業・団体は年々増加しています。
メンバー数は1年半で倍増
メンバー数は1年半前の倍以上の約70人となりました。航空宇宙業界をはじめ、各業界で経験を積んだ人材が、宇宙産業に魅力を感じて全国から集まっています。
企業等からエンジニア人材の出向を受け入れる「助っ人エンジニア制度」の活用は、2020年4月の制度開始から着実に増え、現在はトヨタ⾃動⾞株式会社(2名)、古河電気⼯業株式会社(1名)、株式会社日揮(1名)の3社4名を受け入れています。このほか、国⽴研究開発法⼈宇宙航空研究開発機構(JAXA)からもJAXAのクロスアポイントメント制度(*3)により1名を受け⼊れています。
*3 企業・大学・研究機関等の人材が、組織の壁を越えて活躍できることを目指した制度です。本制度により研究者等は、出向元と出向先の双方で雇用されつつ、各機関で別個の研究開発等に従事できるようになります
不動産クラウドファンディングで2.95億円達成、ふるさと納税は累計2.4億円
2020年12月に竣工した新社屋の溶接組立棟は、応援型不動産クラウドファンディング「利回りくん」で2.95億円の資金を調達しました。
資金調達の手段としては、北海道大樹町へのふるさと納税で宇宙開発を応援できる「宇宙のまちのロケット開発プロジェクト」でこれまでに累計2.4億円を支援いただいています。
各社コメント
INCLUSIVE株式会社 代表取締役社長 藤田 誠 様
ベンチャーを起業して15年の私は、彼らの仕事をみて、きいて、感じて、居てもたってもいられなくなりました。人生を賭けてでも取り組む仕事がそこにある。彼らのモノづくりマインドはこれからの日本の魁となるでしょう。我々はインターステラテクノロジズと共に広告&エンターテイメント、衛星データ利活用領域で既存の「宇宙事業」イメージを塗り替えていきます。
株式会社サイバーエージェント 代表取締役 藤田 晋 様
低価格で高品質なロケットを創るというインターステラテクノロジズの熱意はすさまじく、ものづくりの現場を自らの目で見た際には宇宙は決して特別なものではないと感じられ、心を動かされました。
インターステラテクノロジズが、国内で唯一の民間ロケット会社として大きく成功し、将来、世界でも存在感を示してくれることを期待しています。
シリアルインキュベート株式会社 代表取締役 山川 雅之 様
北の大地で挑戦を続けるインターステラテクノロジスのスタッフたちの姿を現地で見学して感動しました。その技術力と独自のアイデアで、日本発の宇宙開発ベンチャーが大きく花開くことを楽しみにしています。
セブンスターズキャピタル1号投資事業有限責任組合 パートナー 徳田 誠 様(株式会社スマレジ 創業者)
誰もが憧れる宇宙、成長産業として世界中で民間企業の進出が本格化しています。ZEROの運用が成功すれば、日本の民間による宇宙産業の可能性も大きく拡がります。是非やり遂げて、日本の技術力を持って世界の宇宙産業を牽引する存在になってほしいと思います。
サンコーインダストリー株式会社 代表取締役 奥山 淑英 様
初めてインターステラテクノロジズを見た時は、弊社の拠点でもある東大阪市の町工場の風合いでロケットを製作されていたので驚いた記憶がありますが、今となっては社員数も増え、生産体制も開発体制も順調に確立されているので民間ロケット会社の成長過程を拝見できて非常に良い経験をさせて頂いたなと感じております。
今後は、誰もが憧れるロケットビジネスの会社に発展してくれると確信しております。
中島 瑞木 様(株式会社coly 代表取締役社長)
中島 杏奈 様(株式会社coly 代表取締役副社長)
エンタメ産業と宇宙産業は人類に残されたフロンティアであり、将来的に両産業が融合する日も遠くないと考えております。”誰もが宇宙に手が届く未来”を実現していくインターステラテクノロジズの事業発展を応援してまいります。
山本 博士 様(株式会社スマレジ 代表取締役)
日本の、或いは全人類にとっての科学技術発展に大きく寄与する企業であることは間違いありません。あまりにおもしろいので2回目の出資を決断しました。インターステラテクノロジズの活動を今後も全面的に支持します。
インターステラテクノロジズ株式会社 代表取締役社長 稲川貴大
インターステラテクノロジズは小型人工衛星が大量に宇宙に運ばれる未来を10年以上前から予測し、着実に実績を積んできました。
誰も信じていない時に、まず一歩踏み出し、あるべき未来を予測し、ビジョンを持ち、独自技術を獲得し、真面目にものづくりをして、開かれた宇宙開発を志向し、周りを巻き込んで、これからの宇宙産業を作る。インターステラテクノロジズはそういう会社です。
徐々に体制が整い、開発や製造のスピード・レベルは急速に上がっています。今後の日本の宇宙産業の中心として、国内はもとより”人類”の宇宙開発をリードできる組織になるため今後も事業に邁進してまいります。
▼プレスリリース https://drive.google.com/file/d/150tnWZomaaUjkBnUirNV9d7tUtK8HbbX/view?usp=sharing