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超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」、実機サイズの推進剤タンクを試作
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「誰もが宇宙に手が届く未来をつくる」というビジョンを掲げ、観測ロケット「MOMO」と超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」を独自開発・製造するインターステラテクノロジズ株式会社(本社:北海道広尾郡大樹町代表取締役社⻑:稲川貴大、以下インターステラテクノロジズ)は、経済産業省の受託事業として、安価な超小型人工衛星打上げロケットの推進剤タンクに関する研究開発に取り組みました。
この取り組みにより、ZEROを想定した実機サイズの推進剤タンクの試作品が完成いたしました。2023年度打上げを目指すZEROの開発に向けたさらなる前進となりました。
《概要》
経済産業省には、⺠間の優れた技術や⺠生品を活用しながら人工衛星やロケットの低価格化、高機能化、短納期化を実現することを目的に「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業」という事業があります。
インターステラテクノロジズは2015年から本事業の受託先となり、観測ロケットや超小型人工衛星打上げロケットのインジェクタ(燃料噴射装置)や燃焼器、ターボポンプ、ロケット構造に関する研究開発を行ってきました。
2020年度の研究開発では、超小型人工衛星打上げロケットの推進剤タンクの設計・製造プロセスを検証することを目的として、実機サイズの推進剤タンクの試作を行いました。
試作対象は2段式ロケットとなるZEROの2段目のタンクとし、実際の使用環境を想定した条件で実機サイズ(直径1700mm、高さ850mm)のアルミ素材のタンクを設計し、製造を行いました。
MOMOと比較するとZEROの推進剤タンクは直径が3.4倍(MOMOは直径500mm)とサイズが大きなタンクとなるため、従来と比較して製造工程での課題も抽出することができました。
今回の研究開発を通して超小型人工衛星打上げロケットの推進剤タンク設計・製造プロセスを検証できたことにより、ZEROの実機型推進剤タンクの設計・製造に向けて大きく前進しました。今後はさらに実験や試作を繰り返し、ZEROの実機に向けた推進剤タンクの設計改良、量産に向けた製造技術の開発を進めてまいります。