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文部科学省のSBIR事業で新たに最大46.3億円の交付が決まりました
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宇宙輸送と宇宙利用を通じて地球の課題解決を目指す宇宙の総合インフラ会社インターステラテクノロジズ株式会社(本社:北海道広尾郡⼤樹町、代表取締役 CEO:稲川貴⼤、以下インターステラテクノロジズ)は2024年9月19日、スタートアップ等による研究開発を促進する文部科学省の「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)」(以下本事業)で、新たに最大46.3億円の交付が決まりました(*1)ので、お知らせいたします。交付申請満額でのステージゲート審査通過となります。
低価格で高頻度な宇宙輸送サービスで、国内の自立的な宇宙アクセス拡大に貢献
本事業はSBIR(Small Business Innovation Research)制度においてスタートアップ等の有する先端技術の社会実装の促進を目指すもので、宇宙分野(事業テーマ:民間ロケットの開発・実証)では2027年度までのフェーズ3の合計で1社あたり最大140億円が交付されます。インターステラテクノロジズは2023年9月に本事業フェーズ1(交付額最大20億円)に採択されましたが、今回ステージゲート審査を通過し、フェーズ2としてさらに最大46.3億円の交付が決定しました。
世界の小型衛星打上げ需要は民間宇宙ビジネスの市場拡大、安全保障領域での重要性の高まり、衛星コンステレーションといった新しいアプリケーションの登場などを背景に、2010年代から大きく伸びています。1,200kg以下の小型衛星の打上げ数は2022年の2,429基から2023年には2,860基に増加し、2016年からみると約20倍に急増しています(*2)。一方、宇宙輸送サービスの供給力は需要に対して慢性的に不足しており、業界全体のボトルネックとなっています。国内でもロケット打上げの機会は年数回に限られており、国内の衛星事業者の多くは海外のロケットを選択しているのが現状です。
これらを背景に、国は宇宙戦略基金の基本方針において、2030年代前半までに基幹ロケットと民間ロケットでの国内打上げ能力を年間30件程度確保し、国内外の多様な打上げ需要に応えることを目標に掲げています。インターステラテクノロジズは低価格で高頻度打上げが可能な小型人工衛星打上げロケットZEROの開発により、国内の自立的な宇宙アクセス拡大に貢献するとともに、国際競争力のある宇宙輸送サービスを実現してまいります。
*1 文部科学省ウェブページ https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01431.html
*2 出典:Bryce Tech
インターステラテクノロジズ株式会社 代表取締役CEO 稲川 貴大 コメント
今回、約1年間のSBIRフェーズ3事業における成果を認めていただき、厳正な審査の上で次の段階に採択いただけました。国内で自立性の観点や宇宙市場拡大において必須であるロケットの需要は益々高まっていると日々感じています。事業開始以来の技術、事業、体制等を含む幅広い成果をもとに、宇宙の総合インフラ会社を目指してより一層邁進してまいります。
【ロケットZEROの仕様】
全長: 32 m
直径: 2.3 m
全備重量: 71 t
エンジン基数:一段目 9基、二段目 1基
推進剤: 燃料 液化メタン(液化バイオメタン)、酸化剤 液体酸素
打上げ能力: LEO 800 kg / SSO 250 kg ※将来最大能力
【ロケットZEROの特徴】
競争力のある価格と専用打上げが強み
ZEROは、近年の市場拡大を牽引している小型サイズの衛星をターゲットにした小型ロケットです。民間単独では国内初となる宇宙到達実績のある観測ロケット「MOMO」で得られた知見を土台に、初号機打上げを目指して開発を進めています。ZEROが提供する宇宙輸送サービスは、一気通貫の開発・製造体制で実現する1機あたり打上げ費用8億円以下(量産時)の「競争力のある価格」と、多様化する衛星のビジネスモデルに合わせて専用に打ち上げる「柔軟性」が強みです。国内やアジア・オセアニア諸国の衛星事業者に対しては発射場が近く、打上げまでの手間やコストがかからない「利便性」も提供価値として付与していきます。
最大衛星重量はLEOに800kg、アジア・オセアニア市場でのポジション確立へ
ZEROがターゲットとする小型衛星の重量は、100~200kg級がボリュームゾーンとなっています。ZEROは昨今のトレンドを見据え、国内をはじめ海外の旺盛な需要も取り込んでいくため、搭載可能な衛星重量を地球低軌道(LEO)に最大800kgを打ち上げられるロケットに能力増強を図りました。これにより国内の自立的な宇宙輸送サービス構築に貢献するとともに、アジア・オセアニアや欧州市場におけるポジションを確立してまいります。